無機野

ここはお前の日記帳

ポアソン分布の覚え方

ポアソン分布を眺めてみる
これは2項分布の試行回数nを無限に飛ばした時の極限として求められる
 \displaystyle \lim_{n \rightarrow ∞}\left(\begin{array}{c}n\\ k\end{array}\right)\left(\frac{λ}{n}\right)^ {k}\left(1-\frac{λ}{n}\right)^ {n-k} = e^ {-λ}\frac{λ^ k}{k!}
詳しい説明は譲るとして、その式はなんだか覚えづらい
二項分布の式が直感的に理解できるのとは対照的に、ポアソン分布の方は一目ではよくわからない形をしている
初見でこいつのゲシュタルトを把握できるやつは変態である

これをなんとか簡単に覚えられないものか
ポアソン分布は確率密度関数なので、その全区間での積分は当然1となる
シグマを使って離散的に和をとると
 \displaystyle \sum_{k=0}^n e^{-λ}\frac{λ^k}{k!}=e^{-λ}\frac{λ^0}{0!}+e^{-λ}\frac{λ^1}{1!}+e^{-λ}\frac{λ^2}{2!}+e^{-λ}\frac{λ^3}{3!}+e^{-λ}\frac{λ^4}{4!}+…+e^{-λ}\frac{λ^n}{n!}=1
 \displaystyle =e^{-λ}+e^{-λ}{λ}+e^{-λ}\frac{λ^2}{2!}+e^{-λ}\frac{λ^3}{3!}+e^{-λ}\frac{λ^4}{4!}+…+e^{-λ}\frac{λ^n}{n!}=1
ところで、天下り的ではあるがここでe^xのマクローリン展開を考えてみる
 \displaystyle e^{x}=1+x+{x^{2} \over 2!}+{x^{3} \over 3!}+{x^{4} \over 4!}+…+{x^{n} \over n!}
そしてあなたは唐突に、ここで両辺をe^xで割ることで左辺の値を1にしてみたい欲求に駆られる
 \displaystyle 1=e^ {-x}+e^ {-x}x+e^ {-x}{x^{2} \over 2!}+e^ {-x}{x^{3} \over 3!}+e^ {-x}{x^{4} \over 4!}+…+e^ {-x}{x^{n} \over n!}
これはなんだか先ほどのポアソン分布の式と似ている
というかxをλに置き換えるとポアソン分布の式そのものではないか
 \displaystyle 1=e^{-λ}+e^{-λ}{λ}+e^{-λ}\frac{λ^2}{2!}+e^{-λ}\frac{λ^3}{3!}+e^{-λ}\frac{λ^4}{4!}+…+e^{-λ}\frac{λ^n}{n!}
 \displaystyle 1=e^ {-x}+e^ {-x}x+e^ {-x}{x^{2} \over 2!}+e^ {-x}{x^{3} \over 3!}+e^ {-x}{x^{4} \over 4!}+…+e^ {-x}{x^{n} \over n!}
というわけで、「ポアソン分布に従う確率変数がn回のうちちょうどk回発生する確率」の覚え方は、「e^λをマクローリン展開したときのk+1番目の項を(全確率を1にするために)e^λで割る」あたりが丁度よいのではないだろうか
まあ感覚的に分かりやすいかと言えば微妙だけど